目指すべきもの
私達の前身は1930年頃起業された、はっか用銅製脱水機を製作する町工場でした。以来、80年間の長きにわたり職人の視点で愚鈍に「モノ造りの道」を歩んできました。私達の根底には住宅を建築するようになった今日でも、その魂は常に宿っています。
建築とアートの境界線が曖昧になりつつある現代の建築事情の中で私達は住宅を「作品」 とは考えていません。住宅はアートとは違いお客様からお金をいただき、数十社という 専門業者と綿密な打ち合わせの上、幾重にもわたる工程を経て完成するものであり、 一人の設計者のアーティスティックな想念だけを貫くことはできない産物だと考えるからです。
もちろん建築の中のデザインは大切な要素です。周囲の環境、お客様のライフスタイル等を考慮し、 プロダクトデザインを紡ぎながら空間デザインを創出していく過程に私たちは多くの時間を費やします。それは、建築の本質は屋根や壁にあるのではなく、それらに囲まれた空間にこそあるという考え方が 元になっています。
しかし、その本質さえも基本的住宅性能や使い勝手の良さの延長線上にあるべき ものであると私たちは考えています。住宅が快適で確かな構造に支えられたシェルターとしての役目を果たし、そしてその内部空間においては、 自然の感覚を内包させ人間が本来の姿に帰ることのできる建築を私たちは目指しています。
コストのお話
私たちは基本的に営業活動をしておりません。営業担当、モデルハウス、各種メディア掲載などにかかる 経費は結果的に建築単価を押し上げる結果になると考えるからです。
かといって営業活動を全くしなければ お客様に出逢う機会もないわけですから、年に1回~2回のオープンハウスを出来るだけ経費がかからないように 開催しています。
もちろん、その後の電話や訪問での営業活動は行っておりません。お客様からするとその部分から熱心さは伝わらないかもしれません。
しかし、私たちは仕事を頂くために 一生懸命になることより、設計のご依頼を受けてから全精力を傾けることを選択していますので、 お客様へのアプローチが物足りなく見える部分はご容赦願います。
具体的な報酬(利益)
設計事務所がもらう報酬を明示しているところは少ないでしょう。それが大手ハウスメーカー(HM) などになると、報酬を明示するところはありません。しかし、金額が高額になる建築の世界ではこのことが お客様と建築会社の距離を広げてしまう結果となり、お互いの信頼関係を築く上での最大のネックに なるものと考えています。
私たちは、複数社からとった専門業者、仕入業者からの見積もりをお客様に公開し工事原価を可能な限り オープンにしています。私たちが頂く報酬(利益)は積み重ねた工事原価と経費の15%としております。たとえば、工事原価と経費の合計が2000万円の場合、私どもが頂く報酬は300万円となります。あくまでも一般的な話ですが、大手HMで35%(利益)中堅ビルダーで20~25%と言われております。
また、一般的な設計事務所では工務店の利益と設計事務所の設計監理料10%~15%が加算されますので、 高額になりがちです。15%は弊社を運営するのに最低限必要な金額です。この料率は、親、兄弟、親戚、 親友などいかなる方も一律です。
なぜその料率で可能なのか?
私たちは効率的な生産ラインに乗っかってしまった、企画住宅のようなのもを安売りすることを目的には しておりません。住宅はその人、その家族にあわせて、ミリ単位でオーダーメイドされるべきであると 考えています。お客様が理想の住宅を手に入れるためにはコストの問題が立ちはだかることは少ないことでは ありません。
工事原価の15%という報酬(利益)は前述のように、営業に経費をかけていないこと、 そして、自分たちの手で出来る仕事は自分たちで、という精神に裏打ちされたものです。具体的には設計監理は もちろんのこと建築大工、外壁工事、屋根工事、一部塗装工事など建築の重要な部分を自社の人間で賄う ことによりコストダウンを図っています。
私たちは、工事原価の積み重ねをお客様に明示するだけでなく、予算が合わない場合、様々な工夫をしたり、 専門業者との価格交渉(結構つらい仕事です)をしたりしながら、予算に近づけるための最大限の努力を しています。コストに立ち向かい、強い意志でお客様の夢をかなえること、 私たちはそのために存在しているのです。
理想の建築に出逢うために
大手HM、工務店、設計事務所、どこに依頼しても様々なメリットとデメリットは存在します。また、同じ業態の中でも多種多様に考え方、仕事のやり方は異なるでしょう。お客様自身が ご自分の眼で見て、聞いてそして、どこが自分に合うのかを的確に判断することが最も大切だとおもいます。
「これというのは私たちの予算でできるのですか?」私たちがプレゼン時に良くお客様に言われることです。「やってみなければわかりません。」というのが私たちの答えなのですが、最初からラクラク予算に収まる ようなプランではなく(もちろん、それでお客様の理想を叶えているのであれば問題ないのですが) むしろ、自分たちにとってもそこに挑戦的な高いハードルを自ら課することもよくあります。
しかし、少しでも 可能性がある限りそこに挑戦し、お客様とともに夢を実現させることができた暁には、ともに喜びを共有し、 私たちの誇りとなっていくのです。そして私たちはその感動的な一瞬を味わうためにこの仕事をしている のかもしれません。
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